吃音ってなんだろう?
みなさんこんにちは。
9月1日より札幌市西区に開設する放課後等デイサービスみかづき発寒です。
本日は吃音についてお話しようと思います。
最近ではインターネットが普及してきていることから、吃音という言葉をみかけることが増えてきましたが、まだ世間に浸透しているのは「どもり・どもる」という言葉でしょうか。
吃音とは、繰り返し「お…お…お母さん」引き延ばし「ぼー-く」ブロック・阻止「……とけい」といった症状がみられるものです。
吃音は「発達性吃音」と「獲得性吃音」に分けられています。
「獲得性吃音」は青年期に発症することが多いため説明は省略させていただき、放課後等デイサービスを利用される児童さんに多いであろう「発達性吃音」について説明させていただきます。
「発達性吃音」は、3歳ごろからみられることが多く、7割以上がその後2~3年程度で自然治癒するといわれています。話す時に使う発語器官(口や舌など)を動かすことが苦手なために、吃音症状がみられます。3歳ごろからみられるのが多いのは、言語発達の段階でこの時期は爆発的に語彙が増え、文の長さも長くなる(「たべる」→「ママ,おかし,あげる」等)ためそれに対して発語器官(口や舌など)の動きが追いつかないためです。
ここで吃音を抱えるお子さんがいらっしゃる保護者の方にお伝えしたいことがあります。
「吃音は保護者の育て方が影響している」といった情報がありますが、これは様々な論文で否定されています。保護者の方が悪いということはないのです。
その他にも「子供の吃音に対して保護者は反応しないほうがよい」という情報もありますが、この対応はお子さんの心理的な孤立や、「吃音は悪いことなんだ」という考えにつながります。この考え方がお子さんに生まれてしまうと、「もっとすらすら喋らなきゃ」というプレッシャーから症状が強くなってしまったり、「話したくない」という気持ちから会話自体を避けることにつながってしまいます。
それでは、吃音を抱えるお子さんに対して我々がどのように接すればよいのかというと、ゆったりとしたペースで話す環境を意識的に作ってあげるのが効果的です。吃音により会話の流れが止まってしまうとお子さんは焦りを感じます。そんな時に話を急かしたり、お子さんの言おうとしていることを先取りしたりするのではなく、予めゆったりとしたペースで話す環境を作ることで、焦る場面の少ないリラックスした状態で会話を行うことができます。
ここで大事なのは待つ姿勢です。お子さんが会話中に詰まってしまうと、聞く側は言おうとしている言葉を汲み取ろうとしがちです。これはお子さんの会話機会を減らしたうえで、お子さんが「ちゃんと言えなかった…」と感じ、自信を失う機会を作ってしまいます。発語器官(口や舌など)を動かす練習の機会も減らすことや、お子さんの会話意欲の低下につながってしまうため、お子さんが話す機会はできる限り減らさないように心がけることが大切です。
吃音は研究が進められているのに対して、情報が広まっておらず理解が進んでいません。
受診されても、医師の方から経過観察を提案されることも少なくありません。
そんな中、今回のブログ記事が保護者の方の不安を和らげることに繋がればと思います。
放課後等デイサービスみかづき発寒
言語聴覚士 笠原 奏太
投稿日:2022年09月27日(火)