療育における大切なこと
こんにちは。
みかづき発寒の桑原です。
今日は療育において、なにが大切かということを少しだけお話したいと思います。
そもそも療育(発達支援)とは何かということを考えてみましょう。
「療育」で調べてみると、
障害のあるお子さまやその可能性のあるお子さまに対し、個々の発達の状態や障害特性に応じて、今の困りごとの解決と、将来の自立と社会参加を目指し支援をすること
と定義されております。
その通りですね。
でもこれではまだ抽象的すぎるので、少しだけ具体的にかみ砕いていきましょう。
我々支援者側は、子どもたちの成長・発達を感じる喜びや、生きにくさを支えることの大切さを実感することが多くあります。
そして支援者は様々な思いを持って、お子さまと接しています。
みかづき発寒のスタッフたちが大切にしていること・大切なことをいくつか紹介します。
①まずは楽しませる
基本中の基本ですね。
お子さまが通う場所が苦痛であっては、行き渋りが起こってしまいます。また、来ることが出来ても、前向きになれる場所と感じなければ、支援者の意図した支援が十分に展開されなくなってしまいます。
そのためには、しっかりとお子さまが「また行きたい、早く行きたい!!」という気持ちを持ってもらえるかが大切です。
そして、そういった思いをもってくれることで、たくさんの笑顔や表情を見ることができ、”次はどんなことをしてみよう”とか”もっとこうしたら面白くなるのではないか”というスタッフの前向きなモチベーションにも繋がっていきます。
結果的にそれらがお子さまを更に知るためのきっかけになったり、支援に深みを持たせることが可能となります。
お子さまが「楽しい」と思うようになるとスタッフに対する信頼感が強くなるだけではなく、「認めれる場所」という認知・思考となり、活動や物事に前向きに挑戦する力が養われます。
②正の感情も負の感情も受け止める
お子さまは抱えている特性により、生きづらさや他人との違いによる葛藤を受ける機会があります。
そういった負の感情を打ち明けられる場所があるかどうかということは、お子さまにとってご自宅以外でも安心できるヨリドコロになります。
心の拠り所があると、お子さまは自分の価値を認めてくれる場への安心感をもち、自己肯定感を保つ・向上することにも繋がっていきます。
また、失敗しても大丈夫と思えて初めて、挑戦することへの苦手意識が払しょくされ、挑戦する気持ちを養うことが出来ます。
当然、負の感情だけではなく、楽しい・嬉しいなどといった正の感情を解放できる空間にする必要もあります。
「自分たちが出来ることや困っていることを人に伝えても良いんだ。」、「どういう風に伝えたら伝わるんだろう」という気持ちを持ち、考え、行動・言動に移すことでお子さまたちがこれから自立した生活が出来るようになるための方法を考える時間になっていきます。
大人であっても自分に自信を持つことはとても難しいことです。
③自信をつけることができる
自分に自信を持つためには①も②も大切ですし、「やってみたら出来た!」という小さな成功体験を積むことが必要になります。
そういった体験をすることで、「もう少し難しい課題にチャレンジしてみよう、自分ならできるかもしれない」という気持ちが芽生えてきます。
心理学では「最近接発達領域」という言葉があります。
自分一人でクリアできる課題、大人がちょっと手を貸すことでクリアできる課題、自分にとってはクリアできそうもない課題があると、大人がちょっと手を貸すことでクリアできる課題に取り組むことが、お子さまの成長に最も効果があると言われております。
支援者側がしっかりとお子さまを把握し、特性を理解し、課題の難易度を設定することで、達成できる課題を提示し、それをクリアすることで適切なタイミングで成功体験を積むことが出来ます。
そうすることで、自分自身に自信を持つことが出来るようになるのです。
みかづき発寒では、日々の関わりに対して、かなり「意図」することを心がけています。
お子さまの変化や反応をしっかりとキャッチし、なぜそのような関わりをしたのかということを言語化しながら、お子さまにとって適切な療育とはなにかを考え、過ごしています。
みかづきブログでは日々の活動の様子だけではなく、スタッフが抱いている想いや考え、時にはためになるお話も綴っていきたいと思います。
楽しみにしていてくださいね。
では、また。
投稿日:2023年01月20日(金)