言葉の発達に課題があるお子さんへの関わり方
みなさんこんにちは。
札幌市西区にある放課後等デイサービスみかづき発寒です。
本日は以前お話した言葉の発達についての内容の続きからお話していこうと思います。
以前のブログでは言葉の発達は段階を踏んで進んでいくこと、その時期はおよその目安であり個人差があるため前後するということをお話しました。
今回は放課後等デイサービスにおいて言葉の発達に遅れがある、または遅れている可能性があるお子さんに関わっていく際に注意している点をお伝えしていきたいと思います。
1つはお子さんの会話意欲や周囲の環境に注目します。
この子は話すことが少ないから言葉が遅れているという捉え方が多いかと思いますが、お子さんが話したいという気持ちがあるのかどうかも大切です。たとえば、性格的に口数が少ないだとか、いつも一緒に過ごす人が話す機会が多く本人が話す時間が確保されていないなど語彙だけが問題ではない可能性も考えられるのです。実際に過ごしていく中でも、最初の印象と実際に話してみた時の言葉の出方が異なることがあります。本人の気持ちの面や環境面により言葉の出方が変動することがあるため話す機会を奪わないことと、話したい気持ちにすぐに気づけるように意識しながら接しています。
2つ目はお子さんの注意の向き方に注目します。
みなさんも声を掛けられていたけれどボーっとしていたり、何か別の考え事をしていて気づくことができなかったという経験があるのではないでしょうか?
これは話しかけてくれていた人に注意(関心)が向いていなかったために起こる現象です。利用されているお子さんの中にも、周囲の刺激(声や音・面白そうなもの)の中から選択して反応することが苦手なお子さんがいらっしゃいます。つまり、音としては聞こえているけれど、注意が向かないために右から左へ抜けてしまっているような状態なのです。この状態では日本語を聞く場面が多くても、そこに意識が向いていないため言葉と意味の理解につなげることが難しくなってしまいます。また、話しかけているのに返事できないのはお子さんが意味をわかっていないからだという誤解に繋がってしまうこともあり得ます。そのため話す人に注意が向いているか・他の刺激に注意が逸れてしまっていないかを確認しながら接しています。
今回は言語聴覚士がどこに注意を向けて接しているのかをお話させていただきました。ここで書いた内容については、皆様がお子さんと接する際にも活用できる考え方だと思いますのでふとした時に思い返していただければ幸いです。
放課後等デイサービスみかづき発寒
言語聴覚士 笠原 奏太
投稿日:2023年01月24日(火)